講座 新聞のつくりかた

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◆ご利用にあたって◆
 この講座内容は営利目的での利用はできません。ここで提供しています記事は日本機関紙協会発行のテキストからの抜粋です。著作権は日本機関紙協会に所属していますので、無断での複製(印刷、コピーなど)はできません。

メッセージは自分で発信
知りたい、知らせたい情報 <企画の立て方>
レイアウトマットをつくる <新聞の基本型をつくる>
事実を集める <取材>
事実を正確に伝える <記事を書く@>
長文はレジュメをつくる <記事を書くA>
締め切り日は2ー3日前 <原稿を依頼する>
原稿の整理=朱入れ作業
引きつけるキーワード <見出しで注目>
言葉は記事本文から <見出しのつけ方>
文字量は50%以内 <レイアウトをする>
紙面を区切る <レイアウトの手順>
手書き新聞は読める字であればいい <版下作成・文字を書く>
テクニックで見せる <アイデアで変化を出す>
写真をうまく使う
楽しんで早づくり方法


メッセージは自分で発信
何のために出すのか
 初めて編集者になった人にとっては、まず最初にみんなで論議して欲しいことが、この「自分が作る新聞は何のために、誰のために発行するのか」ということ。一般新聞では編集の基調とか編集方針といわれるものだ。
自分の主張を知らせる
 「自分の思ったことを新聞にして発行する」という行為は、もう、一人で新聞社の社長であり、記者の1人2役をこなし、自分で社会の中で人間関係を作っていくという積極的な生き方を、地域や友人たちに示す社会的な動きなのではないだろうか。
主人公は読者
 新聞の役割は、大切なことを知らせることと、読者の関心に応え、読者の共感を生み出すという役割がある。団体の主人公はそのメンバーであるのと同じように、新聞の主人公は読者なのだ。
大切なのはメッセージ
 どんな新聞であれ、読者はその紙面にどんな魅力があるのかを敏感に感じとる。「わたしたちのことが載っている」「すごいことが書いてある」と分かれば、たとえ文字ばかりでも期待を持って読む。読者はそこに編集部のメッセージをかぎとるからなのだ。仕方なく作っていたらおもしろい新聞はできない。自分が作りたい新聞を作ると、自分の思いが一杯入った紙面として生き生きと輝く。そこには編集者のメッセージがたくさん込められているからなのだ。

知りたい、知らせたい情報 <企画の立て方>
 「企画が決まれば、その新聞の半分以上はできあがったも同然」と言われるくらい、企画立案は新聞づくりの土台であり出発点だ。
1 企画とは、読者とのコミュニケーション
 大切なことは情報発信者である編集者と受信者である読者の問に、双方通行のコミュニケーションが成り立つかどうかだ。そのために「どんな内容を、どんなかたちで伝えるか。伝えたい、知らせたいこと、共有化したい情報はなにか」をハッキリさせる。さらにその伝えたい内容を「読者にどう受けとめてほしいか」をイメージする。この二つを明確にすることが企画立案の前提となる。
2 ワイワイ楽しく、みんなで相談
 ワイワイガヤガヤと何でも言える自由で楽しい雰囲気の編集会議にしたいもの。一人編集部の場合でも、メモ用紙に取り上げたい項目を書き出し、一人ブツブツ言いながら整理したりして、企画を立てる。身近な人に「こんな企画どうかな」と聞きまわるのもひとつの手。「三人よれば文殊の知恵」というが、近い将来はかならず複数以上の編集体制をめざしていくのが一番いい。
3 みんなのつぶやきを出し合って話し合う
 暮らしや仕事を通じて出てくる悩みやつぶやきをみんなの要求へと高め、その実現の道筋を明らかにすることが、機関紙の役割の一つだ。読者の興味や関心など「知りたい」こと(読者ニ一ズ)をよくつかみ、「伝えたい」組織方針(メッセージ)とを結びつける。
 また、次のようなことを話し合い、企画していこう。
 @構成員(読者)に周知徹底させる要求や方針はどれか。
 A組織内コミュニケーションの円滑化で共有化をはかるテーマはないか。
 B構成員の暮らしや仕事、活動に役立つ情報はどんなものがあるか。
 C世の中の出来事、政治、経済、社会的なことと読者の関心、反応、意見などで企画できる ものはないか、など。
4 テーマだけでなく記事の種類も決める
 編集会議では、
 @企画のテーマが決まったら、キマリものでいくか、連続・連載もの、特集、座談・対談、調査・アンケート、行事案内にするかなど「企画の種類」を決め、さらに報道記事、解説記事、評論記事、ルポルタージュ、人物インタビュー、投稿・投書、コラムなど「記事の種類」も決める。
 A字数(字詰め・行数)、執筆担当者、締切日(少し余裕を持って)を決めておく。
 B企画が決まったら、紙面がどんな形になるか、ラフレイアウトを作っておくと、字数が割り出せ、完成予想図ができてその後の作業がすすめやすくなる。
 Cまた、次の号をどうするかだけでなく2、3号先の企画やテーマも話し合う。先々に手を打つ編集スタイルを確立することが、企画に幅の広がりと厚みをもたせることにつながる。
 こんなことが機関紙の企画になる
@団体でやっていること、やったこと ・方針の実践、実践の結果、課題、方針についての説明
A団体の組織活動について ・会議のようす、専門部活動のこと
B仲間のこと ・組合員、会員、読者の声、意見、苦情注文、活動組織にたいする考え方、おいたち、仕事、趣味、家庭のこと、役員のこと、未組織の仲間のこと
C仲間の暮らしや仕事に役立つこと
D地域の問題や話題
E他団体、他地域のこと
F構成員・読者の自覚を高めるために

レイアウトマットをつくる <新聞の基本型をつくる>
 どんな新聞をつくる場合でも、紙面全体の枠組を決めておく。その基本パターンをレイアウトマットといい、用紙をレイアウト用紙、または、割り付け用紙という。この用紙上ですべての作業がおこなわれる。
1 紙の大きさを決める
 手書き新聞では、B5判(大学ノートの大きさ)とB4判(大学ノートの倍の大きさ)のどちらかにする。日刊職場新聞の一部にはB6判もあるが、記事が一つしか載らず、ビラと思われてしまう。普通は、B4判が手作りの新聞に合う。
2 紙の位置と文字の配列を決める
 紙を縦長に使うことを縦位置、横長に使うことを横位置という。縦長の紙面は、最も新聞らしく見え、報道記事が主体の紙面に合う。横位置の紙面は、安定感がよいため、じっくりと読んでもらう読み物記事が主体の紙面に合う。また、発行間隔が長い新聞に適している。
 次に、縦書きか横書きかという文字の配列を決める。一般的には、縦書きがふさわしいが、近年の学校教育は教科書も横書きがほとんどのため、若い世代では横書きが書きやすく読みやすいと言われているので、横書きの紙面が増えてきている。
 @縦位置縦書きの新聞 一般・報道型
 A縦位置横書きの新聞 英字新聞型
 B横位置縦書きの新聞 速報型
 C横位置横書きの新聞 読み物型
3 文字の大きさ
 機関紙協会で発行している手書き新聞用の版下用紙には1文字の大きさが@3.5_A4_B5_の3種類がある。読者層、平均年齢で決めるのが一番いい。
@3.5_ 仕上がり紙面は印刷物のように一番きれいだが、書くのには熟練度が必要。普段、文字に密接にかかわっている人たちや、20歳前後の年齢層向き。
A4_ 書きやすいし、読みやすい。最も普及している。すべての人向き。
B5_ 漢字でもらくらくと書けて、読みやすい。仕上がりの紙面が少々散漫になりがちだ。保育園だより、学級通信といった低年齢層と40代後半以降向き。
4 字詰めと段数
 1行に入る文字数を字詰めといい、面の中の段の数を段数という。1段に入る行数を行詰めといい、字詰め×行詰め×段数=総文字数が計算できる。
 字詰めは、文字を読むときに苦痛なく読み進める字数と考えればいい。あまり長すぎてもいけないし、短すぎても読みにくい。段数は、奇数段数の方がレイアウトしやすい。
 5 題字と奥付けの位置
 どこでもいいのだが、紙面をパッと見たときに1番最初に見える紙面上部が定位置だ。目立たないと困るが、かといってトップ見出しより大きいスペースを取ってはならない。自分の家の表札と思えばいい。

事実を集める <取材>
1「記事は足で書け」
 従来から「記事は足で書け」と言われてきた。自分の頭で考えた意見や主張で説得するよりも、事実の持つダイナミズムで物事を説明した方がはるかに説得力が高いからだ。この「事実(材料)を取ってくる」作業を「取材」と言う。取材対象は大まかにいってみっつに分けられる。
 @人にあって話を聞く(インタビュー)
 A現場に行って見て、さわって、確かめる
 Bすでに活字になっている資料・統計などを調べる
2 取材は、客観的、公正な態度で 取材の心がまえとして
 @編集長やデスク、他の編集員とよく話し合い取材対象や内容をよく煮詰めること。
 A事前に可能な調査をして、予備知識を持つこと。質問事項をメモして、「自分は何を知りたいのか」をはっきりさせておく。
 Bその場でかならずメモをとる。よくわからなかったり、疑問点はその場で確かめる。可能なかぎり広い範囲に取材し、深く掘り下げてみる。
3 打ちとけ合って具体的に質問
 @質問は具体的にすることで的確な返事が期待できる。そのためにも事前に、質問事項を用意しておくこと。
 A初対面の人とは、打ちとけ合う雰囲気をつくることが必要。特技や趣味、出身地などから聞くと効果的だ。
 B相手に気持ちよくしゃべってもらうには聞き上手になること。それは、身を乗り出すようにして話に耳を傾け、相づちを打ち、相づちも同じ言葉を繰り返すのではなく、「はあ」「ふむ」「なるほど」「それから」「へえどうして」「ふむ、そりゃ面白い」とタイムリーな返事を返すこと。
 C相手の目を見て、目による取材も大切。
 D余談・雑談もしっかり聞くこと、そこに本音や真実が潜んでいるから。
 E間違っても論争しない。相手から引き出すことが大事。
 F約束を守る...「これは書かないでほしい」といわれたら差し控えることは常識といえる。
 約束を守り相手に親しみを持たれ、信頼されることが1番。
 Gマナーの欠如、だらしない服装、ぶしつけな態度、行き当たりばったりの質問...これでは信頼のきずなをこわし、聞ける話も聞けなくなる。謙虚さをいつまでも忘れないことが大切。
4 生々しいうちに書く 取材したら、その日のうちに(生々しい印象のうちに)作業すること。
 あれもこれもではなく、強調したいことを中心に、相手が特に強調したいことは何か、これを正確につかみ表現していく。読者がその記事を読んだとき、インタビューを受けた人が語った言葉と、それをまとめた人の言葉が、一目で区別できるように書き分ける。

事実を正確に伝える <記事を書く@>
《ニュースを書く》
1 重要なこと、結論から先に書く
 短い記事では、前文(リード)をつけず、見出しからいきなり主文(本文)に移るが、その場合でも、読者に知らせたい最も重要なこと、その記事の結論部分をまっ先に書く。そうすることで、読者は冒頭部分を読んだだけで、書き手が伝えたい最も重要な事を知ることが出来、それに興味を持てば、記事を最後まで読んでくれる。
2 必ず具体的事実を書く
 ニュース記事は、読者に知らせたい具体的事実を伝えることが目的だ。書き手の主張や意見だけが先走って、具体的事実の裏付けがない記事では、読者の関心を引き、興味をつなぐことが出来ない。具体的事実は特定の日時、場所、人物、物事、いわゆる5W1Hに関わっている。5W1Hをしっかりつかんで書くようにしよう。
3 小さな事実から大きな事実へ
 ニュースに書く事実は、必ずしも異常なこと、珍しいこと、大事件である必要はない。むしろ、読者にとって身近な、具体的な事実を示しながら、その事実の背後に隠されている深い意味、重要な問題を読者に発見させるような記事が感銘を与える。そのためには、書き手自身が取材の段階から、具体的な事実を前にして「なぜ?」「どうして?」と問いかける問題意識を深める必要がある。
4 「美文」「名文」は必要ない
 ニュース記事は、文学作品ではないので、文章に凝る必要はない。美文や名文は必要ないのだ。作家が小説の中で新聞記事を創作したりすると、かえって変な記事になっていたりする。具体的な事実を正確に伝えることさえ出来れば、ニュース記事としては満点の文章になる。
5 事実の「鮮度」をたいせつに
 ニュース記事で書くのは、常に新しい事実。読者がまだ知らなくて、しかも、知りたいと思う事実だ。そういう意味で、ニュースには「鮮度」が必要。古い事実を書くとすれば、そこに発見された新しい意味がある時だけ。そういう意味で、せっかくのニュース記事が「鮮度」を落とさないように、原稿の提出時間は必ず守るようにしよう。
《インタビューを書く》
1 取材の目的にそって書く
 一口にインタビューと言っても、学者や専門家に解説や論評を求める、有名人に接してその知られていない素顔を知る、仲間の人となり、生活ぶりや意見を聞くなど、それぞれの場合がある。それぞれの場合、インタビューの目的にそって記事をまとめないと、うまく読者に伝わらない。
2 まとめやすい1問1答形式
 ある問題について、学者や専門家の解説や論評を聞いた場合、まず、こちらの質間を書いて、それに対する本人の答えを書く1間1答形式が最もまとめやすく、読者にも分かりやすく書ける。相手の話の内容が相当にまとまった、体系だったものならば、質問を省略して、相手の一方的な談話の形でもまとめられる。まちがった内容を書くと、語り手にも読者にも失礼になるので、印刷する前に、語り手に点検してもらう心配りを。
3 素顔や人となリの紹介は?
 1問1答や一方的な談話形式だけでは、相手の素顔や人となりが十分に伝わらない場合もある。そのときには、インタビューした書き手自身が見たこと、知っていること、あるいは感想などを書き込んで補強する必要が出てくる。カギカッコ(「」)でくくって相手の言葉を引用しながら、書き手の地の文で補強してまとめていく。
4 言葉癖や方言にも注意する
 人柄はふしぎなもので、その人のものの言い方にも現れる。素顔や人となりを伝えようとする時、相手の言葉の癖や方言があれば、それを取り入れて書くと、相手の人物像が生き生きと伝わってくる。なんでもかんでも、"折り目正しい"共通語(標準語)にまとめずに、個性的な言葉癖や人間味豊かな方言などは積極的に紹介しよう。
5 「感動」「発見」を押し出す
 人間の素顔や人となりを紹介する時、書き手自身の「面白い人だ」「すばらしい人だ」「この人に、こんな側面が」という感動や発見があると、記事がまとめやすくなる。語り手に向かって十分に心を開いて、その人の持ち味をしっかり受け止めるようにしよう。上っ面だけの人間観察をひけらかすのでなく、自分の発見や感動を素直に書くことが、読者の共感を呼ぶ。
6 プライバシー保護をたいせつに
 相手によっては、書いてほしくないこと、言いたくないことを持っている。友好的なインタビューな場合、たとえ書き手が知ったとしても、相手のプライバシーを傷つけるようなことは書かないようにしよう。隠された事実やホンネを書くのがインタビュー記事だといっても、基本は相手の人権を尊重する構えがなくてはならない。

長文はレジュメをつくる <記事を書くA>
 記事は「結論から先に書く」定型的なニュース記事ばかりとは限らない。しっかりした論理を展開する解説記事や生々しく状況を描写するルポルタージュなどもある。
1 記事の構成を考える
 10行未満の短い記事ならともかく、20行から30行、あるいはもっと長い記事を書くときには、何から書き出すか、途中どう書きつなぐか、文末をどう締めくくるかという記事の構成を考える必要が出てくる。漫然と書き出さずに、あらかじめ記事の構成を考えてから筆を進めると、結局は早く書き上げることができる。大きな長文の記事を書くのなら、レジュメ(要旨)を書いて、それにもとづいて執筆すると、まとめやすい。
2 記事の構成要素―段落
 長い記事は途中の改行によって、いくつかの段落(文のまとまり)に分かれる。記事の構成を考えることは、つまりこの段落の展開を考えることだ。最初の段落、書き出しは、読者の興味や関心を強くひきつけるインパクトが欲しい。途中の段落は、その興味や関心をそらさずに、読者が知りたいと思う事実を掘り下げ、最後の段落である文末は、読者が納得し、共感する結論を示して締めくくる。導入→展開→終結が基本の形だ。
3 漢詩の知恵ー「起承転結」
 漢詩の作り方で言われる「起承転結」は、記事の書き方にも参考になる。起は問題の提起、承はそれを受けて問題を詳しく述べ、転で問題の別の側面、別の見方を示し、結で全体を総合する。書き出し(起)と締めくくり(結)の間の承と転の工夫で、記事の平板さや一本調子を避けることができる。特に転の扱い方で、記事に深みや奥行きが出る。すべての記事で、こういう形式にこだわる必要はないが、覚えておくと便利な構成法だ。
4 マクラ、サワリ、オチ
 本論に入る前の導入的な文章が「マクラ」、本論のハイライト部分が「サワリ」、締めくくりが「オチ」だ。いずれも文章表現上の工夫のカンドコロでこれらをうまく押えると達者な文章になる。重く深刻な本論に、さりげなく軽快な「マクラ」を添えたり、何げない小さな事実の積み重ねの後に、それが持つ深刻な意味を知らせる「オチ」をつけるなど、読者の意表をつく工夫をすると、印象が強くなる。「サワリ」は筆者が一番書きたいことだから、キラリと光る文章表現を。
5 記事を書く目で現実を見る
 よい記事も、うまい記事も、現実をしっかり見詰めることから生まれる。それ抜きで、文章表現の工夫だけで書こうとしても、うまくいかない。記事を書く目で、現実をよく見れば、ふさわしい文章表現を現実そのものが教えてくれるはずだ。「起承転結」「マクラ、サワリ、オチ」も現実そのものが持つ構造や仕組み、無数の具体的な事実のつながりの反映に他ならないからだ。よい記事は頭の中ではなく、現実の中から生まれる。

締め切り日は2ー3日前 <原稿を依頼する>
  編集会議で次号の企画が決まった。この企画の中には、一つや二つは編集部以外の人に原稿を書いてもらうものが必ず入る。この原稿を頼むことを「依頼原稿」という。
1 全部の記事を依頼原稿にはしない
 ある新聞は毎号、全部の記事を署名入りの依頼原稿だけで埋めている。これでは編集部は全部頼んでしまったあとは、それらの原稿がくるまでは楽である。ところが、楽だけの問題ではなく、依頼原稿の弱点は、編集部の意図どおりの原稿ばかりとは言えないことだ。むずかしい、分かりずらい原稿がくる場合もある。企画にそわない原稿になってくるものもある。だから新聞づくりは全部を依頼原稿で埋めてしまっては、おもしろいものにはならない。依頼原稿は紙面全体の三分の一以内に押えたい。
2 企画意図とテーマをはっきり提示する
 そこで編集部の狙い通りの依頼原稿にしてもらうためには企画の意図と、原稿のテーマをはっきり提示することが大事である。少なくとも次のような項目を依頼者に伝えたい。
  @こんどの新聞の全体の流れはどんなものになるか。(例えば、「平和特集」号とか「大会報告」号になるといったように...)
  Aその中で、あなたにはこのテーマについて原稿を書いてもらいたい...と。「平和特集」の中で、あなたには戦争の悲惨な体験を書いてもらいたい)
  Bそして、特にどの部分を強調してほしいのかを必ず加えること。(「平和特集」ならば、体験を通しての意見は少なく、あなたの東京大空襲で逃げ回ったときの具体的状況をぜひ強調してほしい、といったように)
  この、特に強調してほしいこと、原稿の主眼をそこにおいてほしい、という編集部からの注文をつけることが、依頼原稿が成功する秘訣といってよい。
3 なんでもよいから書いてはダメ
 ところで、これとはまったく逆の実践もまだ多い。それは「こんどの新聞がちょっとアナがあきそうだ。悪いけど、何か書いて」という依頼である。「なにか書いてよ、と言ったってなにを書くの」と、依頼者も禅問答しているようになる。
 いかに名文家であっても、「なにか書いてよ」では、筆は動かない。編集部がテーマをはっきり持つこと以外に、依頼原稿の方法はない。
4 字数、文体、締め切り目をはっきり伝える
  企画と原稿のテーマが依頼者に納得してもらったならば、最後に次のことを伝えるだけである。
 @まず字数をはっきり。2000字なのか、400字なのか、紙面構成を考えながら字数を決めていく。この場合は、おおよそでいい。かえって2200字で...などといわれると依頼者は書きずらくなる。
 A次は原稿の文体を伝える。「です調でお願いします」「である調で書いて下さい」といったように文体を指示する。
 B最後は原稿締め切り日である。「いつまでに必ず」ということ。しかし、全体の締め切り日にしないで、依頼原稿だけは2〜3日前を指示した方がよい。書き直しが必要の場合もあるからだ。そして、締め切り日の前日ぐらいには電話で確認してみることも大事である。

原稿の整理=朱入れ作業
 予定している原稿が全部そろったならば、見出しやレイアウトをする前に、原稿を完全なものに手入れをする作業がある。これを"朱入れ''という。赤ペンなど"朱色"をつかうところからの呼び名である。この作業を完全にやっていないと、印刷工程に入ってからの変更は時間や作業をロスするだけである。
1 内容が適確でしかも正確さをみる
 編集部が意図する通りの記事になっているかどうかを一つひとつ点検する。特に記事の「主題」がはっきりしているかをみきわめることが重要だ。「なにを書いているのか分かりにくい」という記事は、書き直してもらうか、また編集部で補足するか、執筆者と相談して決めていく。
 また、「正確に書く」ことも点検する。日付、場所、人数、氏名、集会名など固有名詞には特に気をつけて確認していく。
2 やさしい、分かりやすい文章にする
 編集部以外の投稿記事や依頼原稿の中には難しい表現、分かりにくい用語・漢字の使用など、さまざまな書き方のものがくる。これを読者の立場から、やさしく、分かりやすい文章に直すことも朱入れの重要な仕事である。
3 文体を統一する
 文体には「です・ます調」と「である調」の二つがある。一つの文章の中にはこの二つが入り混じることは、読みづらくなり、よくない。「うちの新聞は、です調だ」というように、どちらを採用するかは決めておく必要がある。そのため、違う文体の文章がきたならば朱入れのときに文体を直しておかなければならない。 
4 文章は了解をとって直せる
 朱入れの時、投稿記事や依頼原稿の内容をどこまで直せるかという問題がある。長いものを短くカットする場合でも、記事の前後を入れ換えたほうがよい場合でも、執筆者、投稿者の了解をとることが原則である。勝手に削ったり、文脈を変えたりすることはよくない。誤字、脱字、漢字をかな書きに直すことぐらいは了解をとる必要はない。
5 段落と句読点をはっきりと
 朱入れ作業でさらに重要なことは、段落(だんらく)といって、文章の区切りで、読みやすくするための"行かえ"をすること。読点(、)や句点(。)をしっかりとつける作業がある。行かえや句読点が少ないと、文章は長く感じ、息がつけないように、読みづらい文章になってしまうからだ。

引きつけるキーワード <見出しで注目>
1 「見出し」とはよく言った
 新聞を開くと最初に目に飛び込む本文記事より大き目の文字の並びが「見出し」だ。ここで読むか、読まぬか、見出しが決め手になるのが分かるだろう。紙面のレイアウトが顔なら見出しは「目」にあたる。目は口ほどにモノを言い...見出しに目を通せば記事の中身は一目瞭然といきたいものだ。それで、「わかっちゃいるけど、本文の記事も読もうか」と誘いこむのが「見出し」の身上であろう。
2 内容から決まってくる
 では、どう決めるか。記事=本文から「取り立てて」「内容をつかんで表現し」「問題と結論を示す」こと。つまり記事の簡潔な要約を作るのである。
3 やはり一つの文章である
 見出しは、読者の関心を呼び起こす文章になっていなければならない。それでなければ読者が読んで分かるということにならない。だから主語、述語があるし、形容詞だってあってもいいのである。そこが、表題との違いだ。
4 そもそもの始まりは○だった
 明治時代の新聞のはしりを見ると、と、記事の最初には○印しかなかった。それから、作文の題のような1行の表題がついてくる。
 それが2段になり3段にまたがってついて、本数も増えてくる。文字の大きさも変化してくる。こうして一見して読者に工夫を分からせ、読みたい意欲を持たせるかの工夫がされてきたのである。

言葉は記事本文から <見出しのつけ方>
1 柱に、主に、袖
 では、見出しの組み立てはどうなっているか。
 柱見出しとは、主題に近い言葉。
 主見出しとは、それを強調する。主見出しの字数は「7・8・9」字。
 袖見出しとは、主をおぎなう。袖見出しは「9〜12」字。ということも覚えておいてよい。
 肩見出しをつけてもいい。
  (もちろん横にしてもいい。)
 でも、見出しは2本ぐらい立てるのが普通だろう。
 1段の数字が10字として2段の見出しを立てたとき見出しの字数をどうするか。活字の場合は字の大きさで字数は決まっていた。とにかく、天地左右が詰まってしまうのは「ハリが強い」といって読みにくいものだ。
 3 強調と省略で軽重
 一つのぺージに複数の記事がある場合、他の記事との軽重が問われることになる。そこは、見出しの本数で判断していく。
 新聞社では見出しを最終的に決める部署を整理部と言っている。そこで、紙面と見出しの強調、省略が行われるわけだ。もちろん、取捨選択の価値判断が入ってくる。
4 語呂の良さも大切
 気をつけることは、@表題ではない。A文章になっている。述語の省略はある。B独走、独りよがり、押しつけは駄目。記事の内容や言葉から離れない。C3度、本文を読んでつけ、印刷前にもう一度点検。こんなところだが、もう一つ、語呂の良さということがあって、一度読んだら忘れられない響き、口触りが大切なのだ。だから、つけたら口にだして読んでみよう。
5 本文の言葉が基準
 なにより、記事本文の言葉が基準である。

 @よく読んで、記事のヤマを見つける。
 Aそのヤマにそって、メモをとる。
 Bメモの中から、さらに選択する。
 C短くまとめる。
 D内容、形を整える。
6 主観と客観
 見出しの与える気分について触れて見よう。主観見出しと客観見出しという区別だ。
 つけるとき、ちょっと考えてみよう。それは、あくまで記事の主題と内容によって決まってくるのだが、見出しの言葉として感情をむき出しに「激」して、「劇」的な言葉を選ぶ場合と、あくまで冷静に事実による言葉を選ぶ場合があるということだ。

文字量は50%以内 <レイアウトをする>
1 B4版なら3〜5本
 B4版の手書き新聞なら、記事本数は3〜5本と考える。あまり少ないと記事だけの紙面になってしまい文字量が多く読みづらくなる。逆に多ければよいのかというとそうではない。肝心の記事が少な過ぎて、見出しばかりが目立ったりするからだ。複数の性格の違う記事を適当に入れるのがポイントと考えよう。
2 文字量は40〜50%
 文字量も読まれるレイアウトを作る上で大切な問題だ。本文文字量を40〜50%内に押えた紙面はとても読みやすい。残りの60〜50%は見出し、罫線、カットや写真、図版類などで処理をする。
3 レイアウトは2通り
 新聞のレイアウトには2通りの形がある。一般新聞をよく見るとすぐにその違いが分かる。それは、「押えて流す」手法ー1面報道型と呼ぼう。
        「ハコもの」手法ー中面読み物型と呼ぼう。
 これ以外にもデザイン的手法を駆使してビジュアル化した紙面もある。しかし、まずは基本をマスターすることだ。なぜ、この形なのか、という意味をまず覚えよう。
4 報道記事が主な場合
 何よりも速読性を重視する報道記事は「押えて......」にする。紙面の右上から左下に対角線を引いてみる。そこが、視線が1番集中するところだ。だから、その対角線上に見出しが配置されると、紙面が読みやすいし、速読もできる。逆に左上と右下は読者の目が離れやすい部分なので、なるべく黒っぽくなる写真とか強い見出し、太い罫線などを入れて強調することになる。死角と言う。
5 読み物記事が主だと
 読み物記事は、じっくりと読んでもらおうという記事だから、一つのかたまりになっていれば、切り抜きにも便利になる。手書き新聞は発行間隔が長いのが普通だから、記事も読み物的に作るものが多い。「ハコもの」手法が増えているのも、ここに理由がある。
6 横長でもいい
 新聞というと縦位置をすぐにイメージするが横位置だっていい。ハコものはむしろ横位置の方が合っているとも言える。要するに、自分の言いたいことを自由な発想でレイアウトすることが大事なのだ。
紙面を区切る <レイアウトの手順>
  1 紙面を区切る
 記事本数を4本としたならば、レイアウト用紙の真中に十文字の線を入れるだけでもできあがる。4つのハコが生まれるから、そこに見出しや記事を書き込むのだ。その際、見出しを縦にしたり横にしたり、また、記事の中に組み込んだりして、同じ形にしないことが、紙面に変化を生み出すコツとなる。
2 変化を出す3工夫
 いつも十文字だと、読者はあきるし、自分もおもしろくない。それで、もっと変化を出すレイアウトにするために3つの方法をやってみよう。
 @ハコの大きさを変える−記事にはそれぞれ軽重がある。それにあわせて、大、中、小とハコの大きさを変える。ハコのスペースが大きい記事は大切な記事だと自己主張もできる。
 Aハコの形を変える−記事には楽しい記事、怒っている記事、きっちりと読ませる記事、はしゃいでもいい記事などとそれぞれ独自の性格を持っている。四角ばかりではなく、丸、3角、ハート型などと使い分けをしてみよう。記事に合ったカットを大きく書いて、その中に入れてもいいではないか。吹き出しも大切な小道具のひとつだ。
 B罫線の模様を変える−花罫、飾り罫と呼ばれる絵柄の罫線も使ってイメージを持たせるのだ。最低、隣り合わせの罫線は違う罫を使うぐらいの配慮は必要だ。
4 見出しは大きくとる
 見出しスペースは大胆に大きくとることが、迫力ある紙面を作るポイントとなる。レイアウトの段階で他人から「見出しスペースが大き過ぎるのじゃない」と言われるくらいで十分なのだ。実際に書いてみると、囲りに余白も生まれるからそれでちょうどよくなる。
5 カットも大胆に
 カットや写真も大切な新聞の要素。ちまちまと入れるのではなく大胆に配置しよう。どこに、どのくらいの大きさで入れるかも、レイアウトの手順の一つだから、決して、余白が出たから入れたという「穴ウメ」にはしないもの。
6 ラフレイアウト
 以上、述べた要素をしっかりとレイアウト用紙に書きこむこと。特に、見出し、カットなどの大きさ、位置を書きこむことを忘れないでやることが大事。

手書き新聞は読める字であればいい <版下作成・文字を書く>
  1 自分の字でいいのだ
 「自分の字は人に見せられない」という人もいるが、心配することはない。普段の字でいいのだ。要は読める字であればいいということ。いろんなクセがあっても、むしろ書き手の姿が見えてくる利点がある。
2 よいものは参考にして
 他団体のもので、「これはうまい、読みやすい」というものに出あったことが誰でも一度はあるもの。思いきってまねてしまうのもいい。毎日それを見本に練習し、自分のものにしてしまおう。
3 字の特徴を身につけて
 日本語は難しいが、とても便利だ。漢字、ひらがな、カタカナで、ほとんど表現できるからだ。その特徴をつかんでしまえば、こっちのものだ。
<最少限、これだけは注意して>
@漢字はマス目にほぼいっぱいに。
Aひらがな、カタカナは少し小さめに。
B1字1字、ゆっくりていねいに。慣れれば、自分でも驚くほど早く書ける。
Cくずし文字、略し文字は使わない。
D筆圧を平均にする。
 マスコミの新聞見出しなどの大きな活字(写植)文字で、とくに漢字の特徴をつかもう。漢字の縦、横の線の位置、ハネやハライの特徴など、生きた教材から吸収しよう。
4 全体にスッキリした感じで
 一つの本文、また紙面全体をみて、1行1行が一つのまっすぐな帯のように書けていれば成功といえる。1字1字が、マス目の右寄りになったり、左寄りになったりしていると、1行1行が"ユラユラ"した感じに見え、落ちつかない。マス目いっぱいにーー基本を守ればこれが避けられる。
5 練習も必要
 鉛筆と原稿用紙をいつも持って、職場で、昼休み時間で、喫茶店で、通勤の電車の中で、家で日々、いつも練習だ。実際より大きめのマス目を使って、1日10分でもいい。練習したものは保存し、うまく書けるようになったものと比較してみよう。上達のほどがわかる。3ヵ月たてば、人にもアドバイスしたくなるから不思議だ。
 楽しんでデザイン 版下作成・見出し
 版下作成の仕上げは、見出し文字の作制だ。記事にあった雰囲気の文字で、自由に大胆に書く、これが見出し文字をつくるポイントだ。
1 記事に合った書体に
 固めの内容には明朝体やゴシック体が多く使われる。楽しく明るい、気楽な記事には独創的な文字をデザインしてみよう。
2 見出しのまわりに余白を.
 紙面上の見出しスペースいっぱいにではなく、十分な余白をとろう。リラックスした紙面にしよう。
3 見出し部分の割り付けも.
 字数にあわせて、本文同様のマス目を作り、見出し文字を入れていく。マス目は正方形、タテ長、ヨコ長、ななめなど、自由自在に。
4 筆記用具はいろいろあるが.
 サインペンの細字用、中字用、太字用、クレパス、鉛筆、定規などあれば十分。文字の輪郭をとってスミを入れていく、といった"専門的"な方法は、少し腕をみがいてからにしよう。太めのペンがあれば十分カバーできるからだ。
5 デザインする楽しさ
 自分で文字の体裁を作り出す。なんと楽しいことだろう。文字に飾りの線を引いたり、スクリーントーンを貼ったりすると、思わぬ効果が生み出される。また日頃無数に配布される新聞折込みチラシなども、りっぱな教材になる。気に入ったデザインは吸収しよう。
6 自由に大胆に
 手書きなのだから、大胆な発想で思いきって書くことが大切。この場合、本文文字と同様、他団体のものや、「見本集」などをたくさん参考にし、作制技術を身につけ、見出し書きが"たのしい"ものにしたい。

テクニックで見せる <アイデアで変化を出す>
  1 スクリーントーンを使う
 透明なフィルムに様々な模様が印刷されており、裏には特殊なノリがついて何回も貼り直すことができるのがスクリーントーンだ。漫画の中で服やバックの模様などに数多く使われているから、その点ではだれにでもおなじみのものといえる。
どこに使えばいいか
@見出しの後ろに模様を付け、地紋見出しをつくる。
Aカットなどに模様をつける。
B細く切って罫線にする。
C円グラフ、棒グラフなど図表化するものに違う模様を貼って違いを明確にする。
D題字の後ろに貼って、表札らしくする。
2 見出しにカットをつける
 見出しに使われている言葉に合ったカットをつけ加えることで、より、見出しの表現効果が高まる。大きな見出しに使ってもいいし、小・中見出しにも使う。連載タイトルには最適だ。注意しなければならないのは、見出しが主でカットが従の関係を逆転させないこと。見出しの言葉に合った適切なカットを選ぶことだ。
3 飾り罫線を使う
 単純な1本線より、飾り罫線はイメージを膨らませてくれるし、紙面が楽しくなるからどんどん使うといい。罫線の模様で、季節感を出したり、記事の中身を表現したりする。例えば、海水浴に行く記事ならビーチパラソルの連続罫線、怒っている記事ならギザギザ罫線というようにだ。気をつけることは、あまり飾り過ぎないことと、罫線のイメージを大切にすること。
4 吹き出しを使う
 吹き出しとは漫画でセリフが入っているところを言う。雲の形をしているのが多いが、よく見ると、セリフの中身に合わせて様々な形をしている。吹き出しにも喜怒哀楽があるのだ。夢を見ているイメージのもある。似顔絵を書いて吹き出しを付けてもいいし、カコミの全体を吹き出しで作ってもいい。この形で記事内容がイメージできる利点があるし、曲線を生かすことで適度な空白が生まれ、紙面もビジュアル編集ができる。漫画からいろいろな吹き出しをスクラップしておくといい。
   ●ワンポイントアドバイス
罫線の3役割
@記事と記事を区分けする。記事と記事の間に罫線が入っていれば、両隣の記事は別記事だ。しかも、罫線が太くなれば太くなるほど区分けの度合は高くなる。一番区分けが弱い罫線、というとリーダー罫(...のような点々罫)となる。主にこの罫線は関連記事を示すときに使われる。A新しい空間をつくる。カコミ記事がこれに当たる。四角に罫線で囲まれた中は、その回りとは別世界となる。エイリアンなのだ。だから、周囲が縦書きであっても、カコミの中は横書きにしてもいいし、字詰めを自由自在にすることができる。
B模様がイメージをつくる。どんな羅線にも喜怒哀楽のイメージを持っている。

写真をうまく使う
 新聞に面白味をつけるのは文字ばかりではだめというもの。写真を1枚いれるだけで実に魅力的な新聞になる。さあやってみよう。
1 カメラは手軽なものを選ぶ
 どんなカメラでもかまわない。動き回るには軽いほうが便利だ。だが、デジタルカメラの場合、画素数が問題となる。印刷に適した写真はやはり画素数が多いほうがいい。
2 両手でしっかり構えてシャッターを押す
 テレビCMのまねをして片手でシャッターを押すなどをまねしてはいけない。写真が良く写るかどうかはしっかり構えて撮るかどうかにかかっている。
3 シャッターは3回押しておく
 シャッターチャンスは一度しかない。ここぞと思った場面は縦位置、横位置と撮っておく。顔は正面、右向き、左向きを撮っておくと編集するとき便利になる。くれぐれも目をつむっている写真など取らないように注意すること。
4 写真はどこに配置するか
 レイアウトでも共通しているように大事な記事は紙面の上の方に持ってくる。一般新聞を見れば分るが、紙面の上のほうが大きな写真が配置されている。
5 動きのある写真を使う
 写真を載せて「これは何をしているところ」などと解説しなければならないようでは意味がない。見ただけで何をしているか分かるような写真を選びとること。
 レイアウトでは紙面の中心に力が集まるようにしたほうがよいかもしれない。したがって視線は正面か中心を向いたほうがよいことになる。紙面の左に顔写真があるとしたら左むきではなく、正面か心もち右を向いたほうがよいのだ。これは集団の写真の場合も同じことが言える。撮影をする時もどんな紙面を作るか考えてからシャッターを押すことだ。

楽しんで早づくり方法
 これまで見てきたように新聞づくりには一定の約束ごと(基本)がある。この約束ごとをきちんと守って発行すれば、一応は合格点がとれる新聞になる。しかし、どこかを省略してみたり、約束ごとを破ってつくることも必要な場合がある。特に、つくる時間があまりない場合、基本ごとだけでは満足できない場合などの時だ。
 あなたもそのひとつ"早づくり"を覚えておくと便利このうえない。
 レイアウトを先にする
 版下用紙や製版用紙の上で、最初から編集、レイアウトをしてしまう。見出しの位置や大きさ、記事の流れ、かこみ記事、イラストなどなど、全部の配置を決めて、それに合わせて記事を書く、または依頼する方法だ。最初に編集してしまうので、作る新聞のイメージが作られるため、この方法が多く取られている。「内容が形式を決める」ことから「形式が内容を決めて」いくものである。
 専用の原稿用紙をもつ
 編集作業にたずさわっていると「700字の記事よ...」と言われるより「50行の記事だ...」と言われる方が、頭の中に入りやすく、「あ、3段分だな」と紙面のイメージがすぐ浮かんでくる。つまり編集は「行数」が大事ということ。そうなるためには、自分の新聞の1段に入る字数の「原稿用紙」を作成しておくことが、早づくりのポイントになる。12字詰めの原稿用紙など手製でも作って、できるだけそれに原稿を書いてもらう方法をとる。
 切り貼り方式にする
 手書き新聞づくりでは、手書き文字の上手な人が一人で全部の製版をしてしまうこともきれいな新聞づくりのためには必要である。しかし、一人では時間もかかるし、その人が病気にでもなったら休刊になってしまう可能性が強い。
 そこで、早づくり方法では、原稿を何人かで分担し、その人たちが文字を書く。書き終えたものをノリとハサミで"台紙"に貼りつける方法である。これならば、三人でも五人でも、ワイワイ、にぎやかに、同時に作業が出き、"みんなでつくる"という意識が強くなる。中には字のへタなものも生じるが、それは読者にとって親近感にもつながって、かえってよい効果となる。
 大きく書いて縮小
 年輩の編集者になると3ミリや4ミリの用紙に文字を書くのが、小さすぎておっくうがる人が多い。そこで、その解消法には、大きなマス目に書く、大きな版のものを使用する。そして、コピーの"縮小"を利用して作成する方法をとることだ。これならば、わざわざ苦労しながら小さなマス目と取り組む必要はないので安心である。